イカット(Ikat)

インドネシアでは「染め物」として有名なバティックに対し、「織物」としては絣織のイカットがあげられます。通称この織物を「イカット(ikat)」と呼びますが、この「イカット(ikat)」とは「結ぶ、束」という意味の単語で、本来は「tenun ikat (tenunは織物の意)」と呼ばれます。
糸を図柄に従って括り、染液がその部分に浸透しないように防染し、その糸を機にかけ織っていくと防染した部分が絣の模様となって現れます。
イカットの種類には経絣、緯絣、経緯絣とありますが経絣が圧倒的多数を占めます。
バリ島以東に多いイカットですが、特にフローレス島、スンバ島など東ヌサ・トゥンガラ州の物が有名で、イカットもバティック同様各地方独自のものがあり、地に模様が織り込まれているものや刺繍のようなものなど様々。 模様も人や動物、幾何学模様などいろいろあり、値段もバティック同様安いものから高いものまで幅広くあります。
インドネシアの人々はこの布を織り上げてから、端と端を縫って筒状にします。そして、それを老若男女を問わず、巻きスカート風(サロン)にして身にまといます。寒いときにはそれを頭からすっぽりかぶって防寒着がわりに したり、そのまま毛布代わりとしてくるまって寝たりします。高級なものは結婚式やその他の儀式の際に着用されます。

イカットの生産工程は以下の通りです。
  1. 縦糸を張って、縦糸の一本ごとに模様に合わせて部分的に糸をきつく巻き付ける
  2. 縦糸を染める。すると糸を巻き付けられた部分は染まらずに白く残る。
  3. 模様に合わせて1と2を繰り返す
  4. 横糸(これは一色)と合わせて織る 複雑な模様になるほど1と2の過程が多く、手間がかかることになります。染め分ける時に巻かれる糸はバティックで使われるロウと同じ防染の働きをします。
布の状態で買ったイカットは壁掛用のハンガーに吊るして飾ったり、ソファーやベッドカバーに使用すると良いでしょう。
以下に各島々の特徴を記載しておきます。
  • スンバ島
    精霊信仰の生きづく島で、様々な生き物は霊力あるものとして図案化されています。海老、 人物、馬、牛、鶏、ワニ、亀、蛇などの模様があります。

  • ティモール島
    スンバ島と同じく精霊信仰の象徴として雄鶏、エイ、トカゲ、ワニ、人物の模様が多い。
    インドの織物であるパトラの影響を受けた花模様のものも多く見られます。

  • フローレス島
    茶色、藍色を主とした重厚な絣で花文様が多い。様々な色で星形の花のような文様が美しい、マンガライ族の経糸紋織技法で織るサロンは有名。

  • アロール島
    小動物、小花、星模様や菱形などの幾何学模様が多く、染めには天然の植物原料を用いた、おだやかな色あい。

  • サブ島
    藍色を主とした上に花や雲などの女性的なデザインが多い。赤茶系は貴族の階級色。
    各家系の文様は母から娘へと代々受け継がれていきます。

  • バリ島
    縦糸・横糸共染め分ける大変複雑で珍しいテンガナン村の経緯絣、グリンシンが有名。染めの原料に化学薬品を使わず、全て、自然の染料を使います。生産工程が長いため、値段もイカットの中では一番高い部類に入ります。

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